300年読み継がれる本
一年が経ちました

一年が経ちました


夏至の日の、突然の旅立ちから一年。
原宏之が情熱と希望をもち続け、手がけていたいくつかの仕事の痕跡とともに
ネルヴァルやデリダ、バルトの原書の並ぶ、25年間見慣れた景色を眺めながら
やはり豊かな自然を近くに感じられる平屋で、大きく優しい彼の佇まいを懐かしんでいます。

2000年代を待ち復権したベルクソンが活発に取り上げられ、国内でも重要な研究書がいくつも送り出されている今年
次々と手に取り、精力的に読み込んでいただろうなと
その様子が目の前に見えるようです。

若くして重いがんを患い、治療の副作用や術後の不自由な身体に苦しんでいた彼は、自らの身体を素材として思索を深め、ベルクソンの哲学を通して脳と身体、人工知能といったテーマに取り組んでいたところでした。

小さなまとめの私家版の後、多様性を模索しつつ、彼の遺したかけらの一つひとつも形にしてゆけたらと考えています。

体力づくりのためにと奥多摩へ
おいしかった、お外でいただくおにぎり

亡くなる数日前のこと。雨風で汚れたガラスを拭こうとふと見たら赤ちゃんかまきりを発見。あまりの可愛さに3匹で見とれました。それは優しい時間でした。

今でも小さく健気な生きものに出会う度、原に伝えたくなってしまうのです。

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