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 ささやかながら雄弁な知の百貨店でありたいと、 書肆水月は生まれました。


 選りすぐりの書き手による独自の刊行物を中心に、知と教養にまつわるさまざまなトピックをご紹介してまいります。
 手軽な読みものが巷にあふれる昨今ですが、学びとは、本来地道で弛まぬもの。答えは時間をかけてたどり着くもの。じっくりと培うほんものを、長く読み継がれるものを届けたいとの思いです。

**OUR BOOKS & NEWS**

ネルヴァルの新生
ファンタスムとしてのエクリチュールと
自伝的エクリチュール

四六判並製 496頁 定価 3,080円(税込) 
2026年2月4日発売予定です!



「新生」は社会的生の死と引き換えに、彼がそこから生まれたあの書物の世界へと再びネルヴァルを送り返す


2025年に没後170年を迎えたロマン派詩人ジェラール・ド・ネルヴァルは、文学表現の美しさ、独特の作品世界で今なお読む人を魅了し続けています。全集全6巻が2003年筑摩書房より新たに出版され、2024年にはクロード・ピショワ、ミシェル・ブリックスによる『ネルヴァル伝』の翻訳が水声社より刊行されました。
そのような中、ネルヴァル研究の泰斗である野崎歓さんの「決してアクチュアリティを失っていない力作」との一言に力を得て、原の修士論文の刊行にいたりました。
2002年発表(2025年4月新装刊)の『〈新生〉の風景--ロラン・バルト、コレージュ・ド・フランス講義』からさらに遡る1996年の本作は、文学--エクリチュールへの果てしない愛をもって作家の実人生と作品の結びつき、「新生」を希求し続けた、原の原点ともいうべき学究の書です。
「ネルヴァルが最も活発に論じられた一季節の熱気に鼓舞された点において、われらは共通している」と語る野崎歓さんの、胸の高鳴りまでが感じられる解説文も必読です。 ネルヴァル最後の作品である『オーレリア』を正面からとり上げた研究は現在に至っても稀であると野崎さんは言います。
『〈新生〉の風景--ロラン・バルト、コレージュ・ド・フランス講義』の姉妹本として、フランス文学、またネルヴァルの作品に親しむ多くの方がたにお届けします。

 目 次
序論 ファンタスムから自伝へ
 一 『オーレリア』読解のために
  ⅰ 『オーレリア』研究の検討
  ⅱ 『オーレリア』の声
  ⅲ 「初稿」の問題
   A 初稿
   B 「初稿」説の信憑性について、その否定
   C 自伝的エクリチュールへ
   D 「初稿」が語るもの

 二 ネルヴァルの「新生」を考えるために
  ⅰ ネルヴァルのエクリチュール
  ⅱ 断絶と新生(バルトの老いの文学論)
  ⅲ 文学の共同体

本論

   第1章 ファンタスムとエクリチュール
  ⅰ エクリチュールの源泉(「花」と「星」)
  ⅱ エクリチュールの誓い
  ⅲ 「母」(喪の病について)
  ⅳ ナルシシスム
  ⅴ ファンタスムとしてのエクリチュール/記念碑としてのエクリチュール
   A ファンタスムとエクリチュール
   B ファンタスム(知覚同一性)
   C 想起とエクリチュール
   D クリステヴァのメランコリー論
   E 自伝的エクリチュール(クリステヴァの記憶論からデリダの書物論へ)
  ⅵ 記憶とエクリチュール

 第2章 エクリチュールのシナリオ
  ⅰ 詩人の城
  ⅱ 詩人の養成(恋と読書)
  ⅲ 失われた文字/手紙
  ⅳ 円環の時間
  ⅴ 新生の計画「シルヴィ」

 第3章 ネルヴァルの新生
  ⅰ 黒い太陽
  ⅱ 廃嫡者(新生の赤いエクリチュール)
  ⅲ 断絶
  ⅳ 「作品」に向けて
  ⅴ 執筆の動機について

 第4章 『オーレリア』1 構成の問題
  ⅰ フィクションとしての作者
  ⅱ 断絶
  ⅲ 分身について
  ⅳ フェルマンの意見
  ⅴ 自伝的エクリチュール(分離-回収され得ない「わたし」)
  ⅵ レエクリチュール
  ⅶ 体験の一般化
  ⅷ イロニー

 第5章 『オーレリア』2 記念碑としての「メモラブル」
  ⅰ 最後の行程
  ⅱ 「作品」の遺贈としての「メモラブル」
  ⅲ 「メモラブル」読解のための三つの記号

結論
  ⅰ 総括(最後の行程)
  ⅱ ムネモシュネーへの祈り
  ⅲ 作家の死

〈引用文の日本語訳〉

Bibliographie

「作品」の高みをめざして--『オーレリア』への挑戦 野崎 歓

続報はブログでもお知らせしていきます!


〈新生〉の風景
ロラン・バルト、コレージュ・ド・フランス講義

四六判並製 定価 2,530円(税込) 
2025年4月15日より
好評発売中!




"バルトは小説を書いていたのか?"


ロラン・バルトが最晩年にコレージュ・ド・フランスでおこなった「『新生』講義」の全容を紹介した、2002年刊行の同名書の新装版。
自身の老い、母の死、新生、小説……。バルト自身の声に寄りそいながら従来のバルト像と「書くこと」をめぐる問いに変容をもたらした作品に、詩人/文学批評家の管啓次郎が新装版のための解説を添えます。
管さんが「出版当時に読んで感銘を受けた論考。数あるバルト論の中でも記憶に残る一冊」と評してくださった、小粒ながら意義ある仕事をぜひ!

 目 次
イントロダクション
 i 老い、新生
 ii コレージュ・ド・フランスのロラン・バルト vita nova, 1979-1980冬

〈新生〉の風景
 1 新生へ!
 2 小説それともファンタスム シナリオ
 3 マケットとしての「小説」
 4 母性、幼少、詩の故郷 人生の罅、新生の開始
 5 方法的生活
 6 白い紙の上に手の働き
 7 象徴の〈掟〉としてのエクリチュール
 8 かりそめの結論

フラッシュバック
 i 言語と社会
 ii 断絶 rupture et vita nova
 iii ロラン・バルトの数々の死に方

初版あとがき

解説 管啓次郎

続報はブログでもお知らせしていきます!


ラプサンスーチョンと島とねこ

四六判並製 定価 1,500円(税込) 
2023年2月22日発売
好評発売中!




"ぬいぐるみにも生命を感じる君は素敵だ"


クリスマスの夜旅立った最愛の茶トラねこ平九郎に宛てた、温かな思い出と慈しみに溢れる追悼文「愛猫へいくろう君の訃報」。沖縄の離島の老婦人とのある夏の交流を綴った 2012年『文學界』発表のエッセイに加え、詩人管啓次郎氏がこの本のために書き下ろした詩を所収。
大好きなうちの子にたまらなく会いたくなる、ねこ好きはもちろん、生命あるものを愛するすべての人に贈る優しさのつまった一冊です。

 目 次
  愛猫へいくろう君の訃報
  離島での一期一会はなおもアニマに滞ること久しきもの
  二匹の猫  管啓次郎(特別寄稿)
  ラプサンスーチョン(あとがきにかえて)



空虚の帝国

四六変判仮フランス装 定価 2,200円(税込) 
2021年9月28日発売


世界資本主義の夕暮れに極楽鳥は羽ばたくか?


 わたしたち日本人とはどのような存在なのか?日本のオリジナリティとは?それはいまでも生きているのか?
 世界の先進諸国(北米、ヨーロッパ、オセアニア)でのSUSHIからRAMENまでの〈和〉ブームのなかで、日本文化はいまどこにあるのか?『バブル文化論』の著者が、葉良沐鳥(はらしずどり)の筆名で、後期近代という時代を読み解き独特の感性で問うエッセイ。
 2020年(そして2021年)東京オリンピック・パラリンピックの開催をめぐる状況も見据え、福島の事故や築地市場(旧東京中央卸売市場)移転問題にもふれます。
 なぜ、極楽鳥なのか?がここに!

 主要目次
  I. どこにもない〈和〉
   第一章 日本幻想
   第二章 けじめのない日本語
   第三章 「世界で一番騙されやすい国民」 ー 報道の健全性とメディア・リテラシー
  Ⅱ.後期近代とモード、その終焉
   第四章 モードが骨董品となるとき
   第五章 後期近代と大衆の反逆
  あとがき
  メディアの海の荒磯に佇む子供のように…、原宏之君のために 西谷 修


後期近代の哲学❶

後期近代の系譜学 その現在から誕生へ

四六判 ハードカバー 定価 6,380円(税込) 


現代は哲学史のどこで「市民社会」から「商業社会」へと転回されたのか?
人新世のいま必要とされる哲学!


 2021年4月23日発売
 原宏之「後期近代の哲学❶ 後期近代の系譜学」は、シリーズ「世界資本主義の夕暮れに極楽鳥は羽ばたくか?」 2作めの作品。
 1830年代、パリ、及びロンドンにおける後期近代の誕生。流行と世界資本主義(世界市場)開花の華々しさ、明治維新から21世紀の世界不況、デモクラシー崩壊、財政破綻、メディアの死まで。人新世を前に智慧と道具の生きものであったはずのホモ・サピエンスは、どのように立ち向かうのか?立ち向かうべきであるのか?根源から問い直します。
 古代ギリシアはアテナイのポリスから、19世紀のヨーロッパ、そして現代の日本へと時間軸を自由に行き来しながら、後期近代の諸問題と由来を著者ならではの多彩な視点で概説。豊富な註と参考文献も有用な一冊です。

 主要目次
 Introduction 人新世を待つ後期近代ホモ・サピエンスに捧げる哀悼
 第一章 後期近代
 第二章 デモクラシーとはなにか?
 第三章 コマーシャル市民社会の系譜
 第四章 産業革命と二つの倫理学
 第三章 日本の場合 ー 明治維新とは何であったのか?
 補遺  方法の問題(一)フーコー、装置と系譜学


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小社の刊行物は低正味の直取引のトランスビューの取扱で納品いたします。
トランスビューとお取引がないお店からご注文の際は、私どもよりご連絡いたします。どうぞ、1冊からお気軽にお申しつけ下さいませ。
ご発注には、取次ルートにも対応のBOOK CELLARをぜひご利用下さい。
「ネルヴァルの新生/〈新生〉の風景」ご注文書はこちらからダウンロードしていただけます。
「ラプサンスーチョンと島とねこ」ご注文書はこちらから。
「後期近代の哲学❶ 後期近代の系譜学」および「空虚の帝国」ご注文書はこちらよりどうぞ!

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